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隣に並んだベッド。別々の部屋はあるものの寝室だけは同じにしよう、一緒に寝ようって二人で決めた。激しい嵐で大きな音がするとき、ホラー映画を見てしまったとき、わたしが悔しくて泣いているとき、横に手を伸ばせば龍斗が握ってくれて、それだけで安心して眠ることができていた。それほどに龍斗はわたしの精神安定剤的で、大切なものだった。
布団にくるまっていると、寝室の扉が開いて、少し蒸気を纏った彼がベッドに座る。いつも飲む貧血の薬を取るために二人の間のサイドテーブルを開けるのを見ていると、目が合った。彼はすぐに逸らして、それを飲み込む。
「…まだ起きてたの。…明日、仕事は？」
『………朝イチ、迎えくる、』
「…じゃあ、朝ご飯いらないね。」
うん、と声にならなかった音を彼は感じて、ベッドに潜り込んだ。少し遠くで携帯の画面が光っているのが見えて背中を向けているのがわかった。
『……りゅうと、』
「……………………怒ってる、？」
『……怒ってはないよ。…驚いた、だけ。』
「…怒ってよ、」
その言葉に少しびっくりしていると、彼がこっちを向いてきた。暗くてよく分からないけれど、涙が、流れているような気がした。
「………俺だけのものになれば、いいと、思った。味方が、俺だけになって、…縋ってほしかった。
……俺を、好きになってほしかっただけ、」
それだけ言って、彼はまたわたしに背中を向けた。そうしたら、二人で暮らし始めた頃がフラッシュバックしてきた。あんなに小さな背中はいつの間にか大きくなっていて、わたしばっかり変わってない。
わたしは起き上がって、彼の布団に潜り込んだ。
「えっ、ちょっ、なにっ」
『いいじゃん。いれてよ。』
「…っだからそういうところが！」
半身を起こしてわたしを見下ろす龍斗。やっぱり、大人になってる。今そう気付いたって遅いのにな。
『……わたしも好きだよ。龍斗が思ってる以上に大切に思ってる。』
「…それが余計に辛いんだよ。」
『……………家族には、戻れない…？』
昔からわたしが傷ついたり泣いたりすることを彼は嫌うから、我ながらずるい言い方だと思う。観念したように、ハァと息を吐いて彼も布団の中に入った。頭の後ろを優しく撫でる手が、愛おしい。
「……………おやすみ。」
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ささら(プロフ) - ドレミさん» 楽しんでいただけて嬉しいです、！ぜひ最後までよろしくお願いします^_^ (2020年5月5日 20時) (
レス) id: 2c41b8cfc0 (このIDを非表示/違反報告)
ドレミ(プロフ) - 廉くんが好きだけどやっぱり優し過ぎる神宮寺くんも捨てきれない！！どうしよう！と、この作品を読む度に妄想してしまいます。これからも更新楽しみにしております！ (2020年5月3日 21時) (レス) id: 1205e7c587 (このIDを非表示/違反報告)
ささら(プロフ) - あずさん» 有難いお言葉です、、本当にありがとうございます。ぜひ最後までお付き合いのほどよろしくお願いします！！！ (2020年4月9日 21時) (レス) id: 2c41b8cfc0 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - 設定がとても好きです。もっと評価されるべき作品だと個人的に思っています。続きも楽しみにしています！ (2020年4月7日 0時) (レス) id: fe82437d4e (このIDを非表示/違反報告)
ささら(プロフ) - renna0123yuさん» ありがとうございます！！！！(＞＜) (2020年3月14日 11時) (レス) id: 2c41b8cfc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ささら | 作成日時：2020年3月10日 20時
