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マネージャーからのLINEで暫く撮影が中止になったことを知る。週刊誌が嗅ぎつけて公開自体が中止になることを避けるための処置だろう。あいにく公開日などはまだ発表しておらず、撮影工程が遅れることに問題はなかった。
永瀬さんとのトーク画面は、いつの日かにした電話で終わっており、また新しいメッセージが来る気配もなかった。
「そんなに携帯なんか見つめちゃってさ。
好きな人でも出来たわけ？」
『…そんなんじゃないよ』
今日も龍斗がキッチンに立ってコーヒーを入れてくれた。ソファの隣に腰掛けられると丁度いい位置に彼の肩があって、頭を乗せてみる。目を閉じてフラッシュバックしてくるのは、二人の喧嘩していた姿で、どうにもモヤモヤしたままだ。
「永瀬廉は、どんな人なの？」
『……難しいこと聞くね』
「そう？俺には単純そうな人に見える。」
テレビで見ただけだけどね、と付け加えて龍斗は一口ブラックコーヒーを啜る。そういえば彼も最近やっとブラックが飲めるようになったと自慢していた。けれどメンソールの強い辛いガムとか小さな虫は苦手で、暗いところも得意じゃない。
好きなことは、サッカーと買い物、そしてお芝居。楽しそうに話す姿は、目の前にいるみたいに思い出すことが出来て、余計に胸が苦しくなった。
『……単純だよ。
でも、大事なことは何も言ってくれないの。』
「……そりゃあそうでしょう。Aはバカだなぁ」
『え？』
突然弟にバカ呼ばわりされるとは思ってもみなかった。パッと顔を上げるとデコピンされる。
『いてっ』
「…言いたくてもきっと言えないんでしょ？
Aの全部を壊してしまうことになるから。」
わたしは、ハッとした。わたしは上辺ばっかり見て彼の気持ちに気付こうとしなかった。彼はわたしの大事なものを必死に守ろうとしてくれていたのに、わたしはそれを忘れかけていて。何よりも大事な"アイドル"という肩書きは彼のおかげで壊れずに済んだのだ。
＿＿そのうち撮影が再開したが、またアイドルの殻を被ったわたしは淡々と仕事をこなすだけだった。永瀬さんの寂しそうな表情を時々見る度、必死に逃げて自分に嘘ばかりついていたのだった。
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ささら(プロフ) - ドレミさん» 楽しんでいただけて嬉しいです、！ぜひ最後までよろしくお願いします^_^ (2020年5月5日 20時) (
レス) id: 2c41b8cfc0 (このIDを非表示/違反報告)
ドレミ(プロフ) - 廉くんが好きだけどやっぱり優し過ぎる神宮寺くんも捨てきれない！！どうしよう！と、この作品を読む度に妄想してしまいます。これからも更新楽しみにしております！ (2020年5月3日 21時) (レス) id: 1205e7c587 (このIDを非表示/違反報告)
ささら(プロフ) - あずさん» 有難いお言葉です、、本当にありがとうございます。ぜひ最後までお付き合いのほどよろしくお願いします！！！ (2020年4月9日 21時) (レス) id: 2c41b8cfc0 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - 設定がとても好きです。もっと評価されるべき作品だと個人的に思っています。続きも楽しみにしています！ (2020年4月7日 0時) (レス) id: fe82437d4e (このIDを非表示/違反報告)
ささら(プロフ) - renna0123yuさん» ありがとうございます！！！！(＞＜) (2020年3月14日 11時) (レス) id: 2c41b8cfc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ささら | 作成日時：2020年3月10日 20時
