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わたしの膝の上に開かれた雑誌を2人で読んでいた。これかわいいね、こっちも、って言い合いながらページを捲っていると、彼がこっちを見つめているのに気付く。






『…ふふ、なぁに?』




「なんでも?」






彼はわたしの顔横の髪を背中に寄せ、そのまま首に手をかけた。優しくうなじを撫でる手が、心地よかった。自分の表情を意識しながら、彼と目を合わせると、違和感を覚える。






「…なぁ。」



『………ん?』






「……好き。」






なんだかそれは、あまりにも永瀬廉が言っているように見えて、自分でもびっくりするくらい何も言えなくなってしまった。本当は、わたしも、って頷かなくちゃいけないのに。そうしたら、彼はふっと小さく笑って、そのままキスされる。




同意ある初めてのキスは、思っていたよりずっと、甘くて、優しくて、気持ちよかった。







カットの声で、一気に引き戻される。周りは静まり返っていたが監督が良かった!と声を上げると自然とまた動き出した。本来ならわたしのミスだが、やり直しにはならなかった。







彼の方を見ると、また優しくわたしを見ていた。






「……どう?」




『…どう、って……』




「ま、そうゆうことや。」






彼が場を離れて、余計にパニックになった。動機が激しくて苦しい。こんな感覚初めてすぎてわたしは膝に顔を伏せる。もうどうしたらよいのか、わからない。





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ささら(プロフ) - ドレミさん» 楽しんでいただけて嬉しいです、!ぜひ最後までよろしくお願いします^_^ (2020年5月5日 20時) (レス) id: 2c41b8cfc0 (このIDを非表示/違反報告)
ドレミ(プロフ) - 廉くんが好きだけどやっぱり優し過ぎる神宮寺くんも捨てきれない!!どうしよう!と、この作品を読む度に妄想してしまいます。これからも更新楽しみにしております! (2020年5月3日 21時) (レス) id: 1205e7c587 (このIDを非表示/違反報告)
ささら(プロフ) - あずさん» 有難いお言葉です、、本当にありがとうございます。ぜひ最後までお付き合いのほどよろしくお願いします!!! (2020年4月9日 21時) (レス) id: 2c41b8cfc0 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - 設定がとても好きです。もっと評価されるべき作品だと個人的に思っています。続きも楽しみにしています! (2020年4月7日 0時) (レス) id: fe82437d4e (このIDを非表示/違反報告)
ささら(プロフ) - renna0123yuさん» ありがとうございます!!!!(><) (2020年3月14日 11時) (レス) id: 2c41b8cfc0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ささら | 作成日時:2020年3月10日 20時

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