水を向ける (ページ9)

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プレゼントページ9

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「ごめ、なんか変な人来た」

「あいつ俺と同じ球団」

〝遥輝〟さんって言うんだ

その三文字が心に残る中、卓さんの顔を見ていたらなぜか鳥肌が立つような感覚になった

変な人………嵐のような人だったな

『チームメイトさん…遥輝さん大丈夫ですかね？』

『目的があって来たんじゃ』

「大丈夫、あいついつもあんなんだから」

卓さんは苦そうな顔をした

それに私のこと卓さんの彼女って言ってた

誤解ですけどね

「遥輝のやつ、Aちゃんのこと俺の彼女って言ってたよな」

『えぇいいい、言ってましたね』

卓さん今言いましたか

タイミング…

驚きますよ……

「遥輝には後でちゃんと伝えとくから」

『ありがとうございます… 』

私は首を傾げた

卓さんは何か呟いたけど声が小さくて聞き取れなかった

「何もないよ」

卓さんは初めて見た写真のように静かな顔をしていた

最初はもっと怖そうな人かと思ってたけが、とても優しい方で安心した

＿ピーンポーーーン

「今度こそ羊」

『そうですね、そうだといいのですが』

『 …あ、ひつじさんから向かいますとメッセージ入ってました』

「良かった」

また違うお客さんが来たらなんて想像していた

「あ、Aちゃん」

『はい？』

帰る準備をするために立ち上がり、

振り向くと

＿＿「これ、あげる」

椅子に座ったままの卓さんの手には鍵とカードがあった

「二つとも俺の家の鍵」

「いつでも来てほしい」

「あとまたAちゃんのご飯食べたいです」

ほんの少しだけ照れながら上目遣いで見てくる貴方に

胸のどきどきが止まりません

これが胸きゅんか

『嬉しい……また来ます』

卓さんからのプレゼントを受け取る

一瞬、手が触れた

「じゃあ、今日はありがと」

『はい！ではおやすみなさい』

今日一日だけ過ごしたのに寂しいななんて思いながらドアを開けるとやはりひつじだった

ゆっくりと締まるドアの隙間から卓さんが手を振っているのが見えた

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触れた指先があつい

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気づけば帰りの車でずっと鍵を握りしめたまま眠りについていた