水を向ける (ページ3)

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探し物ページ3

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「お名前は、人いちA様でよろしいですね」

『な、なんで知ってるんですか… 』

急に呼ばれて焦るし、怖い

「なんでも知っていますから」

「改めて、Aさん」

「貴方にとっての特別な人とは誰ですか」

『 ……野球選手です』

気づけばそう言っていた

「何故ですか？」

『理由ですか………初めて誰かを好きになりたいと思ったからです』

『それが野球選手でした』

なぜ野球選手にこだわるのか自分でも分からなかったが好きになりたかった

好きになる自信があった

「そうですか」

「ご希望がなければ私の方から候補を出させて頂きますね」

「確か、10数人程いたはず… 」

羊は言いながら手帳を調べ始めた

「 …候補は沢山います」

「そしてこの中からA様の特別な人を見つけて頂きます」

これが本当に野球選手なの？というくらいの顔立ちをした数人の写真が並べられた

顔で選ぼうとは思っていなかったけど

1人と目が合った

「私から言わさせていただきますとこの方がいいかと思われます」

「支えを求めているいる方です」

「気になりますか？」

『はい…とても目が合いました』

ひつじってなんなの

全てお見通しってか

「では最初はこの方に致しましょうか」

『最初？』

「はい、候補は何人もいらっしゃるので」

「しかしA様の特別な人が現れれば最後となります」

『は、はぁ… 』

頷く事しか出来なかった

「とりあえず探し物を見つけ行きましょうか」

探し物？

『え、何処へ行くんですか？』

「早速ですが、彼に会いに行ってみようかと思いまして」

『彼とは誰の事ですか…？』

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「〝中島卓也〟です」