田中の樹君。1 (ページ42)

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証拠ページ42

Aside

田中君と教室に戻ると、黒木さんが私の席に座っていた。

「あ、Aおかえり。」

松村君は、黒木さんがまるで居ないかのように淡々と話しかけてくる。

「あ、田中2号さーん。」

わざと私の事をあだ名で呼ぶ黒木さん。

「．．．．．．黒木何でいるんだ？」

「あ！樹君～！」

田中君は凄く嫌そう。

『．．．．．．．』

真希ちゃんは、私の元へ来て「大丈夫？」と聞いてきた。

あんまり顔を見たくは無かったけど。
「大丈夫」と作り笑いをした。

「ねぇ、まだ途中だったでしょ？」

ジェシー君は、スマホを片手に「本当は居ない時にしたかったけど」と一言。

「連絡交換するんだよね？ジェシー君！」

2人の状況を見て、察する。
連絡交換しようとしてたんだ．．．．。

そりゃ、可愛いからな黒木さん。

すると、ジェシー君はスマホの画面をタップした。

「「～～～～～～．．．．．からさ」」

連絡を交換するかと思ったけど、ジェシー君はただ音声をスマホから流すだけで、黒木さんは？マークを浮かべている。

「え？ジェシー君連絡交換しないの？」

黒木さんは急に顔が青ざめていく。

「「だから、田中A！クッソうざいの！
はやく消えてほしい。
何回いじめても泣かないんだからあいつ
もー。飽きたわー。」」

これは、黒木さんの声だ。

「やばくないこれ？」

「やば．．．．」

ジェシー君以外の皆は唖然としている。

録音は長々と続き自分が女子達に噂を流した事も自慢していた。

ピッ

「これ、聞いて自分の悪いとこ勉強した方がいいんじゃない。」

ジェシー君は録音を止め黒木さんに話し出す。

「あ、あとね。クツ箱汚したりしてるのも証拠として納めているので。」

「．．．え．．．．ジェシー君？」

黒木さんはジェシー君に寄ろうとする。

「触らないで」

『．．．．．．．．』

私はその間一言も喋れ無かった。