田中の樹君。1 (ページ24)

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涙ページ24

ジェシーside

ここ最近、Aちゃんの元気が無い事は皆も気付いていた。
お昼に会ってもいつもより笑わないし、ご飯も全然食べてなかった。

「だから困ってるんだよなー。」

と、同じクラスの松村北斗に相談中。
いつもはこんな相談しないが、今日はたまたまそういう気分だった。

「ジェシーが言ってるその子ってあれ？」

北斗が指を指した先には、1人で何かをしているAちゃんがいた。

「あ、そうそう！Aちゃんだ！」

グラウンドの水道で何してるんだろう．．．。

「あの子って確か．．．．」

急に黙って考える北斗。

「え？北斗もしかして知り合い？」

女子と全く喋らない北斗がAちゃんの事を知っているのは意外だった。

「いや、この前女子達に嫌がらせされてた子がいたんだけど。その子に似てたから．．」

．．．．．．嫌がらせ？？？？
もしかしてが、確信に変わった瞬間だった。

Aちゃんに声を掛けて近づいてみるとやっぱり、靴は泥だらけで嫌がらせをされているんだとはっきり分かった。

「北斗先に行ってて」

「あ、あぁ。」

Aちゃんと2人きりになると、何て言えば良いのか分からず、頭を撫でる。

『わ、私っ．．．．．』

ポロポロと涙を流すAちゃんを見た瞬間、彼女を守りたいなんて思ってしまった。

「頑張ったね。Aちゃん。」