田中の樹君。1 (ページ23)

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慰めページ23

下校しようと、靴箱を見るとまた靴が泥だらけだった。

今日は、たまたま1人で帰る日だったのでそれを見越して嫌がらせをしたんだろう。

誰かといる時は、嫌がらせが無く1人でいる時を狙ってきてると確信した。

泥だらけだと家に帰れないので、グラウンドにある水道で靴を洗う。

てか、この泥持ってくるまで嫌がらせしたいって．．小学生じゃん。

ｼﾞｬｰ

『はぁ．．．．』

ため息がいつもより重くなるのは、この嫌がらせがいつ止まるかの不安からだった。

「Aちゃん．．．．？」

ぼーっとそんなことを考えていると、後ろから聞き慣れている声がした。

『あ、ジェシー君．．．』

そこには、ジェシー君とジェシー君の友達がいた。ジェシー君の友達は軽く会釈する。

．．．最悪だ。こんな場面見られて．．．。

今の状況がどんなに惨めかって自分でも分かってる。

こんな所見られたく無かった。

ジェシー君は、友達と少し話すと、すぐ私の所に来てくれた。

私のこの状況に気付いて一瞬悲しい顔をする。

『．．．．．えっと．．．』

言葉が詰まる．．．こういう時何を言えば良いんだろう。大丈夫って笑ったらいい？
何か誤魔化して流したらいい？

ジェシー君は、何も言わず私の頭を撫でてきた。

『わ、私っ．．．．．』

何か言おうと思っても、言葉より先に涙が出てきそうになる。

ここで泣いちゃ駄目だ。だって悲しく無いし。
全然傷ついてないんだから。

けど、優しく笑うジェシー君の顔を見るとポロポロと涙が出てきた。

「頑張ったね。Aちゃん。」

優しい声でジェシー君は、私を軽く抱き締めた。