告白 ページ16
田中樹side
今日のお昼に勇気を出して一緒に帰ろうとAに言ってみた。
昨日の今日で距離感を縮めようと、俺なりに頑張っている。
友達として．．．．いや、この気持ちはそれ以上の物になりそうだと自分でも分かる。
けど、まだこの気持ちに気づかないでおこう。
俺は．．．．．。
「って！樹君聞いてる？！」
「え？あ、」
「樹君ったら〜」
あぁ、そうだその前にこいつから脱出しないとだった。
今日下駄箱に入ってた手紙は、毎日送ってくる。その手紙の送り主がこいつ。
今日は、さずかにストーカーになりつつある彼女を止めに来た。
「今日帰りに遊ばない？？？」
ひつこくひつこく、俺に引っ付いてくる。
あー。面倒くさいな。
「あのさぁ、俺彼女作る気ないから」
「えぇ〜。そんなこと言ってぇ〜」
キツイ香水の匂いに鼻が痛くなる。
「黒木、流石に俺でも怒るぞ」
「樹君怖い〜」
時計を見るともう教室を出てだいぶ時間が経ってしまってる。
やばい．．A待ってるだろうな。
もう、教室に戻ろう。
「田中〜！やっとみつけた！」
後ろから渡辺の声が聞こえて振り向くとそこには、渡辺とAがいた。
「A．．．」
『ごめん田中君。話の邪魔して』
「田中！俺、Aに謝った！」
渡辺は、Aの腕を持ち上げる。
渡辺とAの事で言い合いになったから、謝るんだろうとは思ってたけど。
こんなに速く謝ってくるなんて．．．ﾌﾟｯ
「そっか、分かった。じゃ帰るか。」
「ねぇ〜樹君待ってよ」
置いていこうとする黒木が俺の腕を掴もうとするが、すぐ振り払ってやった。
「ごめんな。俺、お前の事嫌いだから」
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作者名：とぐさ | 作成日時：2020年10月20日 20時
