田中の樹君。2 (ページ9)

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遭遇ページ9

「じゃあ、帰ろっか」と田中君が私の手を繋ごうとした時。

「樹？？」

知らない女の人が、田中君の名前を呼んだ。

「．．．．美波先輩．．．．」

田中君は、女の人を見て驚いた様子だった。

『．．．．．？』

田中君の知り合い．．．？

「何でここに．．．．留学は？」

「あっ．．．帰ってきたの、日本に」

「そうなんだ。」

私は黙ったまま、２人を見ることしか出来なかった。

この状況はどうすればいいの．．．？

『えっと．．．．田中君知り合い？』

「あぁっ、この人俺の中学の先輩」

田中君が先輩を私に紹介すると彼女はペコリとお辞儀をする。

「樹、彼女いるんだ。」

「彼女じゃない。友達。」

すると、一瞬で先輩の顔色が変わる。

「そうなんだ。
．．．．．樹今日これから話せない？？」

まるで私がいないかの様に、その先輩は田中君を誘い始めた。

え、私。忘れられてる？

「．．．．ごめん。」

田中君は、謝り。

私に一言。

「A、今日はここで解散でいい？」