田中の樹君。2 (ページ46)

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打ち上げページ46

強制的に、打ち上げは参加させられたけど思ってたより楽しくて時間はあっという間に過ぎていった。けど、田中君の姿は無かった。

「じゃ！松村、Aを頼むよ」

帰り道が同じ北斗とは、一緒に帰る事に。

「じゃあね、真希ちゃん！ジェシー君」

「じゃねー！」「バイバイー」

真希ちゃんとジェシー君と別れて私達は2人きりに。

「Aさ、なんかあった？」

『えっ、どうしたの？急に』

「いや、明らかに保健室から帰ってきてから変ってゆーか」

「話したくないならいいけど」と、気を使ってくれている。

『北斗には、話すけど。
他の人には禁止だからね』

そう言って、田中君とのこれまでの事を北斗に全て話した。私が言葉に詰まっても北斗は、優しく黙って話を聞いてくれた。

「そうかぁ～。やっぱりAは樹が好きか」

『うん。』

「そうかあー。もう少し、俺とAが早く出逢ってたらなって思うよ。」

『えっ？』

「樹が今曖昧なのは、多分美波先輩の事だよな」

『多分．．ね。好きだった人なんだよね。』

「いや、好きだった人ってのもあるけど。
樹には多分忘れられない人なんだと思う。」

『え．．．．何で？』

「亡くなったお兄さんの彼女でもあったからね。」

一瞬時が止まったのかと思った。

亡くなったお兄さんの彼女．．．．？

「俺、樹と中学一緒だったんだ。
お兄さんが亡くなるまでは、親友だった。」