田中の樹君。2 (ページ18)

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ジャージページ18

ｶﾞﾗｯ

戻った教室には、誰も居なくて。
少し、焦る。
もう、皆グラウンドに出ちゃってるんだ。

早く、上着を着て行こうとロッカーを開けてみるけど。

『あれ．．．？』

無い．．．．．。
ここに無いってことは、上着忘れちゃった？

『どうしよう．．．』

外は少し肌寒い。けど、我慢するしかないなぁ。今日は、ほぼ体育祭の準備なので１日我慢。

「どうかした？A」

『(ﾋﾞｸｯ！！！！！)』

突然後ろから話しかけられたと思ったら、そこには田中君がいた。

『びっくりした．．．』

「ごめん、驚かせた。
けど、A。何してんの？」

『．．．．．あー。いや。』

なんかさっきから、田中君の顔が見れない。
今私、素っ気ないだろうな．．．．、

「もしかして、Aも上着取りにきたの？」

『そうだけど。．．．忘れちゃって。
ごめん。私、先に行くね』

田中君と今一緒に居たら、辛くなる。
そう思ってすぐグラウンドへ向かおうとすると。

田中君が私の腕を掴んだ。

「これ、着なよ」

と、私に自分の上着をかけてくれる。

『えっ．．．．．』

「寒いだろ。外。」