吉良ヒロトに引き取られた。〈２〉 (ページ21)

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69話~精霊カナデ~ ページ21

カナデ「化物じゃないよ！僕の話を聞いてよ！」
潤花「………………………」

カナデの必死なお願いに、潤花は仕方なく足を止め、聞いてあげることにした。

カナデ「僕は化物じゃなくて精霊。君が小さい頃から君の体にいたんだ」
潤花「知ってる……私は1度、あなたを外に出したことがあるから。でも、あの時と姿がかなり違うみたいだけど……………」
カナデ「あ、それは………」

潤花は恐る恐る聞いてみた。
カナデはフワフワと浮きながら、説明した。

カナデ「君が直ぐに外に出してくれなかったからだよ！あの時、外に出したまんまだったらその時の姿でいられたのに………また、体の中に戻しちゃったから、僕は成長が進んだんだ」
潤花「……え？」
カナデ「あの時、体に戻さないでずっと外に出してくれてたらあの姿のままだったのにぃ」
潤花「……………………………」

潤花はカナデにそのような言い方をされて、黙ってカナデを睨んだ。

潤花「それって、私が悪いの？」
カナデ「悪いっていうか、やっぱりあの、姿の方がいいじゃん？かっこいいし」
潤花「カッコイイって…………ねぇ、成長が進んだって……精霊は成長していったら、そんな姿になるの？」
カナデ「そうだよ。この姿よりも進んだら、赤ちゃんになってたよ！それだけは嫌だったから、君に無理をして出さしてもらったんだ！」
潤花「……無理をして？」

潤花はカナデに、聞き返した。

カナデ「うん、最近体に痛みがあったでしょ」
潤花「えぇ」
カナデ「それ、僕が体の中でちょっとだけ暴れてたからなんだ」
潤花「…………………………………」
カナデ「あ、もしかして怒ってる？ごめんごめん僕も早く外に出たかったんだ！」

潤花はカナデの言ったことが、あまりにも衝撃すぎてる言葉が出なかった。

カナデ「苦しかったよね？本当ごめん！でも、これからは苦しくないから安心して！」
潤花「はぁぁ……もういい」
カナデ「ほんと？許しくてれるの？」
潤花「許すって言い方は嫌だけど…まぁ、いいか。貴方には聞きたいことはまだあるけど、私はもう帰る。じゃあね」
カナデ「え？」

潤花はそのいた公園から出ていこうとすると、カナデが後ろからついてきた。

潤花「まだ、なにか用なの？」
カナデ「用って酷いなぁ。僕はこれからずっと君と一緒だよ？」
潤花「え……………」
カナデ「当然でしょ？君の体から出てきたんだから！それじゃあ！君の家へレッツゴォ！」
潤花「いや、困るわよ！」