吉良ヒロトに引き取られた。〈２〉 (ページ19)

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67話ページ19

潤花(怜奈さん………！)

怜奈「潤花様、どうかなさいましたか？」
潤花「だ、大丈夫です」
怜奈「……本当…ですか？」
潤花「はい」
怜奈「そうですか…何かあれば遠慮せずお申し付けつださい」

怜奈はそう言い残し、部屋から離れていった。

潤花の苦しみも治まったようで…………

潤花(どうしよう………言ったほうがいいのかな。でも………)

潤花はヒロト達に話すことをかなりためらっているようだった。

自分の中に潜む何か。

痛みを我慢せず、外へ出していいものか。

自分の中から何が出てくるか分からない。

良いものなのか悪いものなのか……………

この力をどうすればいいのか。

どうしたら正解なのか、潤花は知る由もなかった

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

テスト当日。

あれから、１日１度は襲って来る痛みを耐えてきた。その痛みはなぜか夕方に襲って来る。

潤花は不安で押しつぶされそうになっていた。
怖くてたまらない日々。
ヒロトに相談しようかと毎日悩んだ。だが、
いつも出る答えは[心配をかけたくない]。

潤花(今日のテストが終われば昼から部活が再開されるけど、監督達の都合で今日は無し。良かったのかも………)

そんな事を考えていると、テスト終了のチャイムが学校全体に鳴った。

潤花はさっさと帰るつもりだったが、音無に呼び止められた。

音無「待って！君島さん」
潤花「なんですか？」
音無「家庭訪問の事なんだけど…………」
潤花「あ……」

潤花は『そうな事あったなぁ』と、行った感じに返事した。

音無「実は先週の日曜日に、たまたま会ってね」
潤花「はぁ…」
音無「ヒロトさん達、時間があるって言ってくださったから、家じゃないけどやらしてもらったのよ」
潤花「家庭訪問……ですか？」
音無「家庭訪問にはなってなかったけど…そうよ」

音無は、そう言って苦笑した。

音無「ヒロトさん、凄く褒めていたわ。君島さんの事」
君島「そうなんですか」
音無「…………変わったわね」
君島「え？」

音無がいきなりその様な事を言ったので、潤花は驚いた反応をした。

音無「君島さん、全然学校に来てくれなかったのに、今ではこうやって来てくれてる」
潤花「…………………」
音無「それに、感情を表に出してくれるようになったし」
潤花「そ、それは………………」

潤花は少し顔を赤らめた。

音無「学校楽しい？」
潤花「前よりは………」
音無「そう、よかった」

音無は潤花に微笑んだ。