吉良ヒロトに引き取られた。〈２〉 (ページ18)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:26,205 hit

66話~甘川美月という女~ ページ18

潤花(誰？……………)

潤花は、少し離れた所からその女性を見ていた。

潤花(どうしよ……声をかけた方がいいのかな)

迷っていると、その女性は潤花に気がついた。
そして、潤花に近づいてきた。

女性「もしかして…貴方がヒロトの言っていた子？」
潤花「……………？」

潤花(ヒロトさんの知り合い………？)

潤花の戸惑っているのに気がついたのか、女性は謝った。

女性「あ、ごめんなさい。私はヒロトの……」

すると、家からヒロトとリュウジが顔を出した。

リュウジ「美月ー？一体どこに行……って、そこにいたのか」
ヒロト「早速、潤花に会えたんだね」
潤花「……………………………」

潤花は更に混乱して、状況を把握出来ずにいた。

ヒロト「とりあえず、家に入ろうか」
リュウジ「さ、行こ」

リュウジは潤花の手をとった。

潤花「あ、あの………！」

潤花はリュウジに引っ張られるように、家に入っていった。

美月「フフッ……仲いいのね。前までは、かなり
潤花ちゃんの事で悩んでいたのに」
ヒロト「そうだね。けど、それは前の話。今は違う」
美月「そう………」

美月はそのヒロトの言葉を聞いて、微笑んだ。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ヒロト「紹介するよ。俺の秘書をしてくれている甘川美月」
美月「こんにちは。甘川美月です。さっきは驚かしてごめんね」
潤花「いえ………………」

潤花の美月を見る目は、警戒している目に見えた。

リュウジ「大丈夫だよ。美月はいい子だから」
美月「いい子って……子供みたいな言い方しないでよ」
リュウジ「アハハ…ごめんごめん」

潤花「私、勉強しなくちゃ行けないので部屋に戻りますね」
ヒロト「あぁ。頑張ってね」

潤花は、逃げる様に部屋へ戻っていった。

美月「慣れてくれるのは、時間がかかりそうね」
ヒロト「仕方ないよ。これから一緒に暮らすんだ。これから慣れてもらえばいいよ」
リュウジ「あ！その事、潤花に言ってない…」
ヒロト「あ……まぁ、後で言えばいいよ」

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

潤花(……秘書って事は、吉良財閥の………)

考えていると、また体に異変が起きた。

潤花「＿＿＿＿！？」

潤花は胸を抑え、床に膝をついた。

その時潤花の体から、紫のオーラの様なものが出ていた。

潤花(やっぱり、あれのせいだ………。ずっと放置して来たけど、もうそれは………)

すると、ドアの向こうから声がした。

怜奈「潤花様？」