笑顔の花【ワンピース】 (ページ45)

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第４４話『再会』ページ45

目を半分開くと、そこは真っ白な世界だった。
体を半分起こすが、全くと言っていいほど体の重さを感じない。
どこかで聞いたような気がするが、頭が上手く回らない。
そんな違和感を覚えつつ立ち上がると、いつの間にか目の前には大きな木が立っていた。

「これは……？」
「やはり貴方も来たんですね」
「！？」

突如として、自分以外の声が響いた。
振り返っても誰もおらず、むしろ声は木の裏から聞こえてくるようだった。

「誰…………ですか？」
「んー……私は私です」

答える気がない。アイラはそう判断した。
自分よりも高い声のその主は木の裏から出てくるつもりはないようだった。

「では、ここは何処ですか」
「夢でいて夢にあらず……ですかね」
「夢なんですか？」
「ええ、でも夢ではありません」
「分かりません」
「簡単なことです、この世界で寝ればあちらの世界が消えるだけ」
「消える……？」
「ええ」

楽しそうに同意の言葉を紡ぐ木の裏の主は、さらに言葉を紡ぐ。

「私が積み上げた世界、貴方が寝れば消えてしまう。そんなの我慢できません」
「貴方が……積み上げた世界……？」
「貴方がこの世界にいる時は私が話し相手になります。ですから、決して眠らないで……」

「……夢？」

目を覚ましたアイラは、先程の世界での出来事を鮮明に覚えていた。
そして、先の声の主が誰か目星をつけ、アイラは小さく呟いた。
「私…………」と。