笑顔の花【ワンピース】 (ページ42)

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第４１話『解除』ページ42

「私の物ですか……」

風呂からあがり、タオルで髪を纏めたアイラはマルコの渡してきた日記を訝しげに見つめた。

「覚えはないのかよぃ」
「……無い訳でもないです」
「そりゃどっちだ」
「この、日記は確かに私のものです。ですが……この鍵は分かりません」

アイラはそう言うと、認証部分と見られる箇所に指を置いた。
すると、カチャッという小さな音を立て、留め具は外れた。

「開いた！」

サッチは嬉しそうに声をあげた。
しかし、開けた本人のアイラの表情は不安そうに揺れていた。

「…………」
「なんて書いてるんだよぃ」

マルコに背中を押され、アイラが表紙を捲った。
表紙をめくった一ページ目には、何かがぎっしりと書かれていた。
食い入るようにその文字を目で追うアイラとは対象に、マルコとサッチは少し覗いて断念してしまう。

「読めねぇや。マルコ読めるか？」
「知らないよぃ。どこかの島の固有文字かねぃ」

二人の呟きに、アイラは思い出したように顔を上げる。
そして「部屋で読んでもいいですか？」と聞いた。
二人は二つ返事でＯＫと言い、アイラは日記を持って部屋へと下がった。

日記の最初のページの書き出しは
｢これを読む頃、私の記憶は無いのでしょうね｣
と、書かれていた。