笑顔の花【ワンピース】 (ページ27)

今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:4,472 hit

第２６話『後悔』ページ27

「アイラ……お前は行け！」

力強い腕で押される。
よろけたアイラは何も言わずにその場を離れた。

「必ず……戻るから……」

ようやくティーチを見つけた二人は、最初こそそれぞれの力で押していたが、ティーチが能力を出した直後、立場は逆転した。
エースは、俺は逃げない。の一点張りでアイラを逃がした。

こうなることは予想できていた。
何度も何度も繰り返して見たんだ。
それでも防げなかった。

そんな歯痒さが自然と拳を握る力が強くなる。
指の間から血が流れる。
それでも、痛みなんて考えないくらいにモビーに戻っていた。

「親父さん……ごめん……」

いつも笑顔の仮面はとっくに剥がれてる。
変に間延びした口調も彼方へ消えた。
悔し涙なんていつぶりだろう。

「グララララ……お前が謝ることがあるのか？」
「でも……私はエースをっ」
「俺が行けって言った。それ以外にあるか？捕まえられた家族は俺達で取り戻す」
「……そう、ですね……」
「お前の笑顔がねぇと船が一気に暗くなるだろうがァ」
「っ…………親父さんー。私は、海軍に戻りますー。エースくんの処罰、定期的に伝えますねー」
「あぁ。頼んだ」

アイラが笑顔を向けると、白ひげもまた、笑顔を浮かべてアイラの頭を撫でた。