笑顔の花【ワンピース】 (ページ19)

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第１８話『追跡』ページ19

「食い逃げだー！」

平和なアラバスタの街に、とある店主の怒号が響いた

店主の目線の先には口に手を当てて走る一人の青年がいた。

その背中には四皇の一人、白ひげの海賊旗が彫られていた。

ポートガス・D・エース。

それが彼の名乗る名前だった。

かつての海賊王、ゴールド・ロジャーの一人息子のエースは、その性を名乗ることを嫌悪していた。

そして、エースは現在、白ひげの息子として海に名を挙げている。

人一倍食べるエースの食い逃げなど日常茶飯事。

しかし、食い逃げされた店主はたまったもんじゃない。

エースを必死の形相で追いかけた。

どのくらい走っただろうか。

店主は既に追ってきてなかった。

「……やっぱ、おれが速いからかな……？」

後ろを気にしつつ、乱れた息を整えた。

「……みーつけた♪」

突如、背後から声をかけられた。

全く気配を感じなかったエースは困惑の表情で振り返った。

「誰だ！」

己の右手を炎に変え、振り返り際に背後に立つ者に突きつけた。

「随分な挨拶ですねー？エースくんー♪」

「……アイラ……？アイラなのか？」

「私でなければ誰なんですかー♪」

アイラはアラバスタの伝統衣装らしきものを身に包み、いつもの笑顔を浮かべた。