笑顔の花【ワンピース】 (ページ1)

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オープニングページ1

別に、いらない命だった。

必要とする人もいないし、自分すら必要としていなかった。

だから……私は飛び降りた。

真っ白な雪に私の鮮血が飛び散る。

でも、その赤さえ降り積もる雪に隠された。

見つかるのは、私が飛び降りてから２週間後。

散歩中の子犬が見つけてくれた。

通ってた学校に行かずとも、家に帰ってこなくとも、私を探す人はいなかった。

テレビで私が写されて、世間は可哀想という。

若いのに、可哀想……と。

でも、そういう人は見知らぬ他人の死を悔やむ自分に酔ってるだけ。

心の底から思ってなんかいない。

形だけの葬式。

形だけの葬列者。

形だけの言葉。

形だけの涙。

いらない。そんなもの、必要としてないのに。

次に目を覚ますと雪の中でも、真っ白な天井が見えたわけでも、燃える棺桶の中でもなかった。

まるで、浮遊してるかのように足取りはハッキリしない。

嗚呼、死んだんだ。

そう気づいた私は、おぼつかない足取りで進み続けた。

何も無い、地平線だけが続く。

筈だった。

確かにあった。その場に。

太陽の無いこの世界で、『それ』は堂々と、輝いていた。