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「でさー、マジであいつがうっざいわけぇ!」


「あー、わかるわぁ。」


お酒が入るとどうにも愚痴が止まらなくなる俺たちは、お酒も話も止まることを知らずにどんどん進んでいった。


大ちゃんの顔はだんだん赤くなってきて、興奮してる子どもみたいでなんだか可愛かった。


…そういえば、薮の話すんの忘れてた。


愚痴も止まり、休憩に入ったであろう大ちゃんは、焼き鳥をちまちまと食べていた。

んー、話すなら今かな。


「ねーぇ、だいちゃん。獣と薔薇って知ってる?」


「…え?」


「だからぁ、獣とぉ薔薇!」


明らかに表情が変わった大ちゃん。なんか…キリッとしてる。


「…へ、へぇ。何、それ。」


「なんかぁ…」


いろいろ説明すると、「ふーん…。」とそっけない返事が返ってきた。

えっ、反応薄くない?


「あれ?面白くなかった?」


「どこが?」


「え?だってあり得なくない?人間はみんなおんなじだっつーの!」


ぐびっと一口ビールを飲むと、聞こえてきた低い声。


「…それは、どうかな。」


「…ほ、ぇ、」

ん?この声…さっきも聞いたような。

…天井と、大ちゃんの顔……?





気づけば、俺は大ちゃんに押し倒されていた。



「えっ、ちょちょちょ大ちゃん?酔ってるの?ちょ、大丈夫?俺は伊野尾だよ、いのちゃんだよ?」


「…知ってるよ。」


なに、この大ちゃん…。
大ちゃんのこんな顔、見たことない。まるで、獲物を捕らえた獣のような…。


…獣?


「だいちゃ、…けも…」


「…ふふ、なんてねっ…。うーん、どうだろうね〜。」


ぱっと離された手。大ちゃんは俺にいつもの笑顔を向けてつらつらと話し続けていた。


「どう、って」


「んー?獣と薔薇…?ってやつ。…まぁ、俺は信じるかな。」


「は、はぁ…。」



ごめん、ちょっとだけ。

ちょっとだけ、大ちゃんが怖いなって思った。


だって、あんな顔…見たことないから。

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なな - もう続きは書かれないのでしょうか?(泣)待ってます!!! (2021年9月15日 11時) (レス) id: 41fdc5cbed (このIDを非表示/違反報告)
- 短編集含め、全てのお話拝見致しました!全部好きですが、ymin、arinのお話が特に好きです。これからも更新楽しみにしています! (2020年12月14日 23時) (レス) id: 5a02e817dd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にゃこ | 作成日時:2019年11月18日 23時

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