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「で？何してたの？」
「そんな事聞かなくたって分かってるくせに。」
「寝てるいのちゃんを起こしてくれた？」
「そういうのいらないから。とぼけないで。」
隣の知念は相当腹を立てている。
…まぁ、知念の言う通りだろう。たとえ本当に撮影の順番が近づいていたとしても、ピンポイントでここに来るのも(まぁ楽屋の隣なんだけど)、俺と伊野尾ちゃんの唇が触れる直前で入ってくるのも、俺らがどこで何をしているのかが分かっていたという事。
「やっぱり2人は獣だったんだねぇ…。」
「大貴。話、逸らさないで。」
「もう1人、いる。」
「…え、？」
「俺の予想だけど、多分もう1人いるよ、獣は。」
話を逸らしたかと思えば、また驚くべきことを言い始めた大ちゃん。
今だけでも3人獣がいるのに、もう1人いる？
「…誰、？」
「それはわかんない。そいつの薔薇もわかんない。…なんか、獣っぽい匂いが俺以外に3人分したんだよね。でも、薔薇の匂いはいのちゃん1人だけ。薔薇の匂いは誰だかすぐわかるのに、獣の匂いはわからないの本当腹立つ。」
確かに、獣みたいな匂いはしたけど、知念とか…俺の匂いが強いだけかと思っていた。そして、やっぱり薔薇の匂いは伊野尾ちゃん1人しか感じない。
「あー、俺そろそろ撮影だわ。」
部屋の時計を見上げ、そう言った大ちゃんは、踵を返してドアの方へ向かった。
「気持ちは分かるけど、抜け駆けは駄目だよ。俺も一回匂いにやられて押し倒しちゃったけど…いのちゃんの目を見たらキスできなかった。」
「…え？」
「だってすごい怯えてるんだもん。涙目だったし。…流石にそんないのちゃんにキスするほど俺、最低なやつじゃないから。」
…俺も、キスはしないつもりだった。押し倒して、可愛いねって、そう言ってずっと眺めてようと思ってた。…でも、伊野尾ちゃんから…薔薇から発する匂いに理性がやられた。…今思えば、あの時に大ちゃんが入ってきてくれて良かったのかもしれない。
「同じ薔薇が好きなやつ同士で組んでるのも驚いたけど…まぁせいぜい頑張れよ、そっちも。…割れないように、ね。」
「大ちゃんに言われる筋合いは無いけどね。」
「あぁ、それと…」
ドアを開けた大ちゃんは、ふっとこちらを振り返って言った。
「俺のものだからね、
…組んでいれば大丈夫だと思っていたけど、そんな簡単ではなかったようだ。
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なな - もう続きは書かれないのでしょうか？(泣)待ってます！！！ (2021年9月15日 11時) (
レス) id: 41fdc5cbed (このIDを非表示/違反報告)
み - 短編集含め、全てのお話拝見致しました！全部好きですが、ymin、arinのお話が特に好きです。これからも更新楽しみにしています！ (2020年12月14日 23時) (レス) id: 5a02e817dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃこ | 作成日時：2019年11月18日 23時
