俺らの綺麗なお姫様（×in）

誰よりも、貴方を。 cn×in ページ19

side cn 学パロ



大好きな先輩が、今、僕の家にいる。


親は今日は帰ってこない。
…愛する息子の誕生日だっていうのに、彼らは仕事ばかり。まぁ、高校生になった今、両親に誕生日を祝ってもらいたい気分ではないから、いいんだけど。


…両親よりも、大好きな伊野尾先輩。
僕は伊野尾先輩に一年に一度の誕生日を祝って欲しいのだ。


「…先輩、どうして僕が先輩を家に呼んだのか、わかります？」


僕の部屋を興味津々で眺める先輩が、ふわっと甘い匂いを香らせながら、僕に振り返る。


「もちろん。今日は、知念くんの誕生日だもん！」


「へへ、流石ですね先輩。」


んふふ〜

と、可愛らしく笑う先輩。


あーあ、どうしてこの人はこんなにも可愛いんだろう。僕よりも可愛い人なんてこれまで会ったこともないのに。


「…プレゼント、ください？」


「……困ったなぁ、まだ用意できてないの。」


いいの。
物なんていらないの。僕は、先輩が欲しいの。


頭はいいくせに、そういうところはやっぱり鈍感な先輩。可愛すぎるんだよ、本当。



「物なんて、いらないです。僕は、先輩が欲し…」


先輩が欲しいです。
そう言いたかったのに。


続きの言葉が、言えなかった。
目の前には、綺麗だけど、真っ赤に染まった先輩の顔。唇には暖かい感触。



「…先輩？」


「………おれが、どれだけ知念くんのことが大好きか、知念くん分かってないでしょ…？そうやって、簡単に言わないでよ…！おれ…知念くんのこと、もっと好きになっちゃうでしょ…！！」



そうやって、早口でまくし立てた先輩。


先輩だって、僕がどれだけ先輩の事が好きか、わかってないでしょ…？

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