愛をたったひとつだけ Ryosuke.y

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歩み寄ってみようと思ったけど。
恥ずかしくて何も喋れない。




それもこれも涼介の先ほどの行動のせいだ。男子の体をベタベタ触るなんて今までの人生で無いに等しい。





それなのに涼介はもう忘れたとでも言うように至って平常心。
私だけ考えすぎ？意識しすぎなのかな…さっきやっと兄弟だと認めたばかりなのに、こんなに気にするなんておかしいのか。





そうだ、兄の体を触っただけなのだ。まして裸だったわけでもないのだから、こんなに意識していてはこれからの人生生きていけないだろう。



なんて前向きに考えていたらもう夜の7時。帰ってきてから3時間もたっている。





「なぁ、母さん…は、いつも何時に帰ってくるんだ？」




「7時半くらい。」





意識しないように、と考えるとそっけなくなってしまった。私の態度が少し気に食わなかったようで






「俺さっき仲良くしようって言ったよな？


…笑えよ」




ちょっとふてくされたように言ってくる。笑え？今の会話のどこに笑える部分があるというのだ。






「仲良くするとは言った。でも面白くもないのに笑えない」

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