愛をたったひとつだけ Ryosuke.y

19〜涼介Side〜 ページ20

今日も自分で弁当を作ってAが起きる前に家を出る。



早起きは慣れてるから全然苦にならない。



父さんは家の事を何もしない人だったからね。



俺はこの家に住むようになって学校が遠くなった。でも転校する気はさらさら無い。




友達の知念と裕翔くんと離れたくないしね。



今日はいつにも増して早く家を出すぎた。学校着いてもまだ二人共いないだろうしな…



あと3本遅いJRに乗っても余裕だ。どうすっかなぁ…



「あれぇ！山田じゃん！何してんの？電車行っちゃうよ！」




背後からの騒音。
…うるさい、声でかい。朝からこんなにテンション高い人なんて俺の知り合いに一人しかいねぇよ。





「大ちゃん、もう高校生じゃないんだからさ、声の大きさとかもうちょっと考えようよ」




振り向くとやっぱり大ちゃんがいた。…結構近い！



「大ちゃん近すぎ…あとうるさすぎ」




「だって電車の音うるさいから聞こえないでしょ？このぐらい近づいて大きい声じゃないと！」




「いや、大丈夫。電車より大ちゃんのほうがうるせぇから！」





ほんとにすげぇよ、電車よりうるさい人間とか。




「まぁまぁまぁ、こんなとこで突っ立ってなにしてんの！」





「こんなとこで突っ立ってたら電車待ってるって見ればわかるでしょ！」




ここホームだから。電車待ってる人しかいないから！





「あぁ、やっぱり？知ってたけどさ！暗い顔してるなと思って」

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