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saidA
中学生らしき男の子が１人。隣に居る女の子ともう１人の男の子は...小学......それとも中学生かな？
わたしが入学した時にもこれくらいの子は居た、はず。
そこまで考えたところで、１つの違和感を感じる。
あの白い髪の子......トリオン体？
もう既にボーダーに入隊してるのかな？
けど本部であんな子会った事ないし、見ただけでも相当印象に残るだろう。
「...もしかしてこの３人、迅さんが言ってた新人すか」
「新人？なんでうちに新人なんてくるわけ？迅！」
とりまるくんと桐絵が訊ねて、迅くんが立ち上がり、ソファーに座っている彼らの肩を持って言う。
「ああ、まだ言ってなかったけど、実はこの３人、おれの弟と妹なんだ」
「えっ、そうなの！？迅に兄弟なんて居たんだ......とりまる、あんた知ってた？」
「もちろんですよ。小南先輩、知らなかったんですか？」
２人とも、澄ました顔でウソ言うんだから。すぐに信じちゃう桐絵もなかなかだけれど。
呆れと困惑の意味を込めてとりまるくんに目線を送るけれど、こっちを数秒見つめ返した後、またすぐに桐絵たちの方を向く。
レイジさんには肩をすくめられてしまった。確かに、いつものことではあるんだけど......
「Aとレイジさんも知ってたの？」
『......レイジさん、パス』
「よく知ってるよ。迅が１人っ子だってことを」
「え、ひとりっ、こ......どゆこと......えっ？」
レイジさん、ナイス。と心の中で思う。
あの嘘を信じきってる状態の桐絵に、真実を突き付けるのは結構心が痛くなる。
......わたしだけかな。
「あはは、紹介するね〜
このす〜ぐ騙されちゃう子が、小南桐絵。１７歳」
「えっ、え？だっ、騙したの〜！？」
「こっちのもさもさした男前が、烏丸京介。１６歳」
「もさもさした男前です。よろしく」
「そっちの落ち着いた筋肉が、木崎レイジ。２１歳」
「落ち着いた筋肉？それ人間か？」
「あっちの優しげなゆるい子が、紡莉A。１７歳」
『ちなみにどら焼き持ち......桐絵、ごめんね』
「あんた持って来てたの！？先に言いなさいよ！」
『痛い痛い......ちょ、桐絵ストップ......』
嵐のように圧倒してきたのは桐絵だと思うんだけどなぁ...
背中と肩をぽかぽか叩かれる。
多分今声出したら夏場の扇風機みたいになるよこれ。
迅くんが話してくれるまで、桐絵のぽかぽかは続いて。
食べ物の恨みを思い知った。
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作者名：ちょみぱっち | 作成日時：2022年5月29日 18時
