押してダメなら、【爆豪勝己】 (ページ9)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:10,928 hit

恋バナページ9

.

『…………行った？』

「ああ、多分……でもまだ近くにいるかもしれねぇから暫くはここにいたらどうだ？」

『わかった！』

ドアの前はなんだから、ということでお部屋にあげてもらう。和室のこの部屋は、いつも自分が使い慣れたフローリングではなく畳で上品だ。

『(……落ち着かねえ)』

「ところで」

『？』

「風井はなんで爆豪に追われてたんだ？」

『あ～……ちょっと色々アリマシテ』

皆様は覚えているだろうか。追いかけっこの原因となった関節キッスのことを。
轟くんに問われて思い出してまた恥ずかしくなってきた。みるみるうちに顔に熱が集まるのが嫌でもわかる。

「？赤いぞ、風井」

熱か？と問いかけてくる轟くんに違うよ、と返して座り直す。だってあんなこと言えない、恥ずかしい……！！！、

『ゴホン……いや、ね。ちょっとさ、爆豪くんの事が好きすぎるみたいで……へへ』

今まで関節キスとかそんなこと考えてもこなかったし気にもしてこなかった私だけど、爆豪くんとなれば話は別だ。
ふと思い出しては、また赤くなる顔。

「そうか。風井は爆豪のどこが好きなんだ？｣

『どこ……？どこ、かぁ……』

そういえば今までどこが好きか、なんて聞かれたことなかったし、漠然と爆豪くんがすき！としか思ってなかったけど、私は爆豪くんのどこが好きなんだろう。

『うーん……………………全部？』

「全部……」

『うん……だって外見は勿論のことドタイプなんだけど、あぁ見えて優しいとこあるだとか意地っ張りだとか負けず嫌いだとか頑固だとか……なんか………………可愛くない……！？！？』

やべー興奮してきた…と鼻息を抑える私に少し圧倒して(引かれて)いる轟くん。

「……とにかく、爆豪のことがすげぇ好きってのは分かった」

『そうなの！初恋なんだよねえ』

それから(主に私の)恋バナや世間話(主に私が一方的に喋ってただけ)をして部屋に帰ることにした。

『それじゃ！ありがと！』

「おう。爆豪とがんばれよ」

『ばッ……恥ずかしいなあ！頑張りますけど！』