あのチベットスナギツネが気になる【HQ】

19話 ページ20

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夏祭りが始まって1時間



「あ！綿あめ!!角名くん、食べよ!!」

「うん」




「たこ焼きだ〜美味しそ〜」

「ほんとだ。タコおっきいね」




「あのりんご飴すっごく綺麗、硝子みたい」

「え、あれ飴なの？」





人混みの中、2人きりだけどムードもなく、

屋台に片っ端から寄りもくもくと食べて食べて食べて···





「ぅぷ。お腹いっぱい」

「俺もお腹パンパン」

「お小遣いも使い切っちゃった·····」

「珍しいね、三嶋さんがそんなにたべてるの
なんかあったの？」





確かに、いつもならこんなやけくそに食べない。

その理由といえば___





「角名くんが隣にいるから緊張を紛らわそうと·····



·····え、あ、ちょ!!たんま!!」





気づけば馬鹿正直にそう言っていた。

_え、これ、ほんとに角名くんに気持ちバレちゃうんじゃ···

なんて、思った矢先、





「·····俺も」

「え？」

「俺も三嶋さんが隣にいて緊張してたからいっぱい食べちゃった」

「·····ｯ」

「ちょっと花火上がるまで時間あるし向こう行こっか」

「·····うん」





なんて言われて

角名くんに手を引かれ歩く

その間に言葉はなく、ただ無言で歩く

心做しか私と同じように角名くんの手も熱くなっていっているようだった

道はどんどん人気がなくなっていき、小さなベンチがある広場のようなところに出た






「···ここは？」

「ここ、あんまり人に知られてないし花火もよく見えるんだよ」

「へえ!!よく見つけたね、こんなとこ」

「うん。三嶋さんと夏祭り行くって言ったら、

そんなら、って治に教えてもらったんだ




···ね、三嶋さん、俺の話聞いてくれる？」

「·····うん。」




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