幼馴染以上恋愛未満 (ページ12)

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7人の始まり(Hikaru.I)② ページ12

グループに入ったばかりの頃は、メンバーともあまり仲良くはできていなかった。
当たり前だ。
男性アイドルグループの事務所のはずなのに、ただ1人いる女。
めんどくさいに決まってる。
だけど、この場所でダンスや歌を続けたかったから、認めてもらえるように努力した。

ある日。

「なあ、そこ、ちょっと違うぞ」

各々で練習していると、岩本くんが声をかけてきた。
今までそんなことなかったから、びっくりして固まっていると、指摘した部分を踊ってみせてくれた。
岩本くんのダンスはやっぱりすごい。
見る人を惹きつける。
密かにずっと憧れていた。
だから、声をかけてくれたことが嬉しくて、勇気を出して自分からも声を出してみた。

「あ、ありがとう、ございます…あの、見様見真似だとやっぱり限界があって…他にも、教えてもらってもいいですか？」

勇気を振り絞ったら、岩本くんの表情が少し和らいだ気がした。

「…好きにしろよ」

それからは、会う度に岩本くんを質問攻め。
ダンスやアクロバットのこと以外にも、雑談なんかもできるようになって、お互い甘党だということも分かった。
お礼にと甘いものを渡すと、次に会う時には岩本くんが甘いものをくれる。
そんなやり取りが嬉しくて、よりグループとしての活動を頑張ろうと思えるようになった。

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