#56 ページ6
.
ああなんか、すっごく嫌だ。この感じ。
そんなにこわい言い方しなくたって、私は喜んで離れていくのに。貴方が心配しているようなことは起きないから、安心してほしいのに。
「櫻井さんはただの幼馴染。それで彩は、大事な彼女なの。」
「…」
「でも、櫻井さんがいつまでも田中くんといるから、彩は傷ついてるの。」
ドンと肩を押されて、倒れはしなかったものの、体がよろめいた。
こんなことまでしてくるなら、早いうちに樹から離れておけばよかったって、今更後悔する。泣きそうになって、でも泣いたら負けな気がして、必死に俯いて涙を堪えた。
「じゃあ、よろしくね。櫻井さん。」
一部始終を見ていた彩ちゃんは、そう残して戻っていった。体の力が一気に抜けて、ぺたんとその場に座り込んでしまった。
いくら男ばかりの樹の兄弟とずっと一緒にいたとは言え、私だってこわいものはこわい。
そもそも彩ちゃんがあんな性格だとは思わなかったし、こんなに圧をかけられるとは思わなかった。…でも、仕方ない。
いくら樹が大丈夫と言っていても、彼女は傷ついてた。やっぱり嫌な思いをしていた。
分かっていたはずなのに、私は離れずに樹とずるずる一緒にいたんだから。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1430人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
飴宮(プロフ) - このさん» 先輩切なすぎるし優しすぎるしもう…🥲大好きって言って頂けてすごく嬉しいです！頑張ります♡ (2022年9月19日 14時) (
レス) id: 4bf5f0e073 (このIDを非表示/違反報告)
この(プロフ) - 松村せんぱぁぁぁぁい泣 もう本当に松村先輩切なすぎてどうにかなりそうです、、(；ω；)飴宮様の作品大好きなので、更新楽しみにしてます♡ (2022年9月19日 12時) (レス) @page45 id: b1b26418ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：飴宮
| 作成日時：2022年8月22日 14時
