ノスタルジック (ページ6)

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#6 -four years ago- ページ6

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翌朝。

いつもなら捨ててしまう優吾の夜ご飯を、彼の朝ごはんとして出してみる。

「え、今日の朝これ？重くね？」

「…」

今まで我慢してきたもの全部、吐き出したくなった。

こんな感覚初めてで、よく分からないくらい自分の沸点が急に低くなって、今まで堪えてきたものすべて壊してしまいそう。

崩れてしまったら、…その時また考えよう。

「…昨日の夜ご飯だもん。」

「あー…」

「なに、それ。嫌なら食べなくていいけど。」

「いや…、そうじゃなくて。」

なに、言いたいことあるなら言いなよ。

かろうじて冷静でいられている自分を崩したくなかったけど、時間の問題かもしれないなと笑えてくる。

最悪別れることになっても、優吾の前で最後に子供っぽいところは見せたくないと、何故かそう思っていた。それはくだらないプライドなのかも。

「もしかして、怒ってる？」

「どうしてそう思うの？」

「いや、だってさ、俺だって仕事の付き合いなんだからさ。
　そんな仕返しみたいな、子供っぽいことしないでよ。」

自分が全て正しくて、大人で、私が全て悪い。

そんな態度に苛立ち以上の感情が湧き上がってきて、数秒前に誓った冷静さを、保つことはできなかった。

「じゃあさ、優吾は、せっかく作ったご飯を一人ぼっちの家で何度も捨ててる私の気持ちわかってる？」

「だから、俺は仕事の付き合いなんだって言ってるじゃん。仕方ないって許してよ。」

「ごめん、許せない。だって辛いもん。」

「…はあ、」

「…っ！」

バンッ

いきなり怒りに任せてテーブルを叩いた私に、驚いたように優吾は目を見開いた。

ヒリヒリと手のひらが痛む。

音を立てた食器、揺れたグラスの麦茶。

ああ、もうどうでもいい。

分かってくれないなら、私が優吾の彼女でいる意味はもうない。

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