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#49 ページ48
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「榎本、俺はね、」
「うん、」
「もっと正直になる、思ってることちゃんと言う、これに尽きると思うよ。」
「…そうだよね。」
とびきり優しい顔で、私の顔を覗き込むように見つめる。
あれ、田中ってこんな人だったっけ。
優しくていい人なのは大前提だけど、いつもからかってくるくせに、
こんな、こんな、…好きな人を見るような甘い視線がムズムズする。
「変に意地張っちゃうのも、素直になれないのも、何となく分かる。」
「…」
「けど、たまにはなんにも考えず飛び込んでみても良いんじゃない。」
「分かった。」
「俺はいつでも榎本の味方だから。」
「うん、いつもありがとう。」
やだな、私ったら何考えてるんだろう。
田中は真剣に私の話を聞いてくれて、こうやって助言までしてくれているのに。
良くないよね、自惚れ過ぎだ。
私は精一杯笑顔を作って、誤魔化した。
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作者名：飴宮
| 作成日時：2022年5月12日 18時
