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「それで了承しちゃったわけね。」
「そうなの、どうしよう…。」
「どうもこうもないでしょ、
また付き合いたいなって思えたらOKしちゃえばいいじゃん。」
そう軽く言って、カフェラテを一口飲んだ彼女。
大学時代からの親友、
職場は私と同じ都内で、職業は美容師。
楽観的な性格で、私がこんな風に相談しても"私関係ないから別に"感満載の表情で、適当に返事をする。
でも私的にもそのくらいの感じのほうが楽だし、そんな性格の成海が好きだから別に嫌とは思わないけど。
「いや、そうじゃなくてね、私は優吾とやり直したいわけじゃないの。
もうトラウマみたいになってて、だからもういいと思ってるの。」
「あーめんどくさい」
「ねえー、」
「だってさ、こんなに未練タラタラでまだ好きなのになんでそんな拗らせちゃうかな。
単純に、素直に行きなよ」
「そうも行かないんだってぇ…」
どれだけ好きでも、どれだけ未練タラタラでも、もう自分が傷つきたくないって気持ちと優吾をこれ以上傷つけたくないって気持ちが素直になりたい私を邪魔する。
これでやり直してしまったら、どうなるだろう。
きっと私は前よりめんどくさいと思うし、また飽きられたりしちゃうかもしれない。
そう考えたら怖い、どうしいようもなく怖くてたまらない。
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作者名:飴宮 | 作成日時:2022年5月12日 18時