ノスタルジック (ページ20)

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#20 ページ20

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もう会うことはないと思ってた。

今は忘れられなくても、それでもいつかは私も違う形で幸せになれると信じていた。

なのに、こうやって久しぶりに優吾の姿を見て、嬉しいとか幸せとか、そういう風に思ってしまう自分がいた。

胸がチクチクして、なのに心地よくて、自分でも分かんないくらい不思議な感覚。

それが、忘れかけていた優吾と付き合っていた頃の感覚だったこと、私は気が付かなくていい。

「…ちょっとさ、飯行かない？」

その丁寧さと荒っぽさが一緒になってる懐かしい話し方。大好きだった、忘れられなかったその声に、泣きそうになる。

優吾の今の気持ちとか、そんなのわからない。もしかしたら、って考えて苦しむこともしたくない。

再会しちゃったら、もう今までのすべてが崩れていくことは分かっているはずなのに、

「うん、行こう。」

馬鹿な私は、またあの頃みたいに盲目になるのかな。

大嫌いな過去なんか忘れたい。

でも忘れられない。

私を縛り付けているその過去なんて、なくなっちゃえばいいのに、なんてまた思う。

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