#39 ページ38
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あれから、会社の愚痴なんかもお互いに話し込んで。
同期って良いなあなんてクサイこと思ってる私、多分酔ってる。
「んふふ、いつもありがとーねぇ田中！」
「ああー、酔ったなこれ」
「酔ってないなぁい」
「酔ってます、めんどくさいです。」
恒例の会話までして、私は田中に支えられながら店を出た。
「限度を覚えなさい、もう大人なんだぞ。」なんて説教までされて、少し歩いた頃には段々と酔いが覚め始めていた。
つい田中の前では気を許しちゃうんだよね。
私の悪い癖。直さなきゃだよね、流石に。
「じゃあ、ちゃんと化粧落として寝ろよ。」
「はーい笑」
遠回りしてまで、わざわざ私の家まで送ってくれた田中。
相変わらず女の子のこと分かっているような言葉に、思わず笑ってしまった。
「田中、いつも迷惑ばっかでごめんね。」
「急にどうした。」
「ふふ、ちょっと酔ってるからね、いつも言えないこと言えるの。」
「…良いよ別に、世話かかる同期にもう慣れたから。」
「優しいねえ田中」
「早く寝ろ。」
「んふ、はーい。」
実はね、知ってるの。
いつも私が、ちゃんとマンションに入って、ロビーを通ってエレベーターに一人で乗るまで、ちゃーんと外で見ててくれてること。
それを見届けてから帰ってくれてるところ。
優しすぎる。
ほんと、あんたの彼女になる人は幸せだよ。
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作者名：飴宮
| 作成日時：2022年5月12日 18時
