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でも季節は初夏のはずなのに今の私はお気に入りのニットを着ていて、就活のために茶髪にしたはずの大我の髪色も金髪になっている。
それに、この光景にどこか既視感があって、あまり思い出せないけれどその事実は確信している。
夢を見ていたならなぜ、私は今大学に行くときのトートバッグを肩にかけていて、そして胸まで降りている髪は去年染めたミルクティーの色をしているの？
「大我、今日髪染めた？」
「いや。明後日染め直すけど」
我ながら変な質問をしたと思う。
だって大我の髪はプリンになっていて少し傷んでいて、言葉を選ばずに言えばそろそろ美容室行かなきゃまずいくらいの状態だから。
…じゃあ、つまりどういうこと？
私が思い出せる最近の記憶と今の状況は全く違う。むしろ、いくらか前に経験したことのある状況、みたいな。
「大我、今日さ、」
「…」
「今日、何日？」
「は？」
お前今日どうしたって思っていることが顔を見ればわかる。
でも自分でカレンダーを見ることが、少しどころじゃないくらいにこわかったから。だってそんな、漫画やドラマみたいなこと、
「えー今日は、」と私の質問に答えようとしてくれている大我は、スマホを確認して、言う。
「10月3日だけど」
「……何年？」
「は？2022年だろ。」
「…」
……大我が私を助けて死んだ日は、2023年6月12日だ。
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作者名：飴宮
| 作成日時：2024年2月21日 17時
