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「大我…たいが、目瞑っちゃだめだからね！」
「…A」
「いいから！喋らないで、お願いだから…っ！」
意識が朦朧としているのか、虚ろな目で私だけを見ている。でもその目が優しくて、涙が止まらない。こんなに愛おしそうな目で見つめてもらったの、初めてだ。
とりあえず救急車、と思っても、スマホを持たずにでてきてしまったから連絡する術がない。慌てているトラックの運転手に「救急車呼んでください！」と大声を絞り出して伝える。
動かないほうがいいのに、大我はゆっくりと起き上がって私の頬に手を添えた。
目を細めて、私の名前を呼ぶ。
「Aが無事で、よかった」
「大我も絶対助かるから、だからそんな変なこと言わないで！」
「ごめんね、」
何に対してのごめんなのか、そんなの私がさっき言い放って家を出たあの内容に決まっている。
こんなことになるならあんな話するんじゃなかった。自分の抱えていた苦しさよりも、大我がいなくなってしまうってことの方がずっとつらい。
それは、どれだけ辛くても私は大我のことが好きだから。心がどれだけ壊れかけていたとしても。そのくらい好きで、それにやっと気づいたんだから。
お願い、お願いだから最後みたいなこと言わないで。
「A、泣かないで」
「おねがい、っ、おねがい、だから」
「わかったから、ね、A」
今まで名前を呼んでくれることなんて滅多になかったのに、なんでこんなにたくさん呼んでくれるの。まるで、本当にこれが最後みたいな、そんな
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作者名：飴宮
| 作成日時：2024年2月21日 17時
