一瞬を辿る (ページ41)

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プレゼントを選ぶのに時間をかけすぎて、気づけばそろそろディナーの予約時間が迫ってきていた。

結局ギリギリで駆け込んで、息を切らしながら用意されていた席に着席。…ムードの無さったらない。

そこから私は人生初めてのコース料理を楽しんで、食後のデザートを楽しみながら会話をする。

前と比べて大我も自分のことを話してくれるようになったし、会話も続くようになった。なんかそれがいちいち嬉しくて、気がついたら笑顔になっている自分がいる。

「プレゼント開ける？」

「中身知ってるけどね笑」

「いいじゃんそこは。」

大我の提案でプレゼントを開封することになって。

あんなに丁寧にラッピングしてくれた店員さんに申し訳無さを感じながら、ゆっくりと包装紙を剥がしていく。

「「せーの」」

同時に箱をパカッと開けると、当たり前だけどさっき選んだ時計があって。

ブランドものでもない。クリスマスっぽいものでもない。雑貨屋で買った2000円しないくらいの時計だ。

でもそれが私達らしくて、心地よくて。

「俺おそろいとか初めて。」

「そうなの？」

「うん」

「どうですか初のおそろい」

「いいもんだね」

「なにそれ笑」

なんか、すごく幸せだ。

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