一瞬を辿る (ページ5)

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声のする方へ向かうために公園をでて、横断歩道で立ち止まる。その向こう側の先に、大我の姿が小さく見えた。

謝ろう、ごめんねって。それでちゃんと冷静になった今話そう。ここが嫌だったって。大我にも思うところがあるなら、私もちゃんと直すから。

大我も私の姿に気がついて、運動苦手で汗をかくのも嫌いなくせに、必死に、ただ私の方だけ見て走ってくる。

信号が青になった。

大我の姿も、だんだんと暗くても鮮明に見えるくらいには近づいてきていて、私は横断歩道をそのまま渡る。

そのとき、大きなクラクション音と共に目の前が大きな車の影で暗くなった。

「A！！！！」

「っ、え」

大我の、聞いたことないくらい大きくて焦りを含んだ声。状況を理解している間、目の前の時の流れがスローモーションみたいにゆっくりになった。

トラックが私に猛スピードで近づいてくる。それを硬直した体で見たとき、視界が大我の部屋着で覆われて、大我に抱きしめられた状態のまま車に跳ねられて、地面へものすごい衝撃とともに倒れ込んだ。

私の下敷きになったまま、痛そうに苦しそうに唸る大我。

「た、いが…？」

「A、だい、じょうぶ、？」

「私より大我だよ、っ、ねえ、大我！」

私をかばって地面に頭を打ち付けたからか頭からは血がたくさん流れていて、足も痛いのか、すごく苦しそうで。どうしよう、どうしようって頭がいっぱいになる。

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