一瞬を辿る (ページ40)

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「ねえ、たいがこれは？」

「ん？…お、いいね」

優柔不断同士だからかなかなか決まらず、プレゼントを選び始めてから、かれこれ1時間以上の時間が経っていた。恐ろしい。

気分で立ち寄った雑貨屋で私が見つけたのは、ゴールドのベルトの腕時計。

針を止めている部分の色が二種類あって、ちょっと違う部分があるとお揃い感あるし、いいんじゃない？って思って。

ブランド物のいい時計じゃないけど、デザインが私好みで出来ればこれがいいなあと思ってしまったり。

「この数字のとことかデザイン好きだわ」

「まったく同じ」

「じゃあ決定？」

「大我がいいなら。」

散々悩んでたくせに、ピンときたものに出会ってしまったら決断は一瞬で。

中身はわかっているのに丁寧にクリスマスらしいラッピングまでしてもらって、なんだかお互いどんどん気分があがってきて。

まさか大我とクリスマスらしいことするなんて思っていなかったなあって、なんだかしみじみしてしまう。

「じゃあ、」

「どうぞ」

一応お互いに渡すこともちゃんとやって。

私も嬉しくて笑顔だけど、大我がいつもより柔らかい笑顔なのがいちばん嬉しかった。なんとしてでも守らなきゃって、そう思った。

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