一瞬を辿る (ページ39)

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「A？」

「あ、ごめん考え事してた」

「なんかあったの？」

「いや、なんでもないよ」

それからは何を買うかお互いに話しながらお店を周る。

やっぱ無難にアクセサリーかな、でも大我ってアクセサリーつけないし…いやまってつけてる、最近。

そう思ってふと大我の耳元を見ると、私が誕生日にあげたイヤーカフがしっかりついている。

「似合うでしょ？」

「えっ、あ、うん！」

「何その反応、似合ってないって？」

「違う違う笑」

見ているのがバレてたみたいで、耳を見ていた私と視線が合うように軽くかがんで目線を合わせてきた大我。

…なんか、近くで見たらやっぱりかっこいい顔、なんて。

「いつもアクセサリーつけないのに今日はそれつけてるなって思って」

「うん、だってAがくれたものだし」

「私も絶対似合うなと思って買ったものだから嬉しいよ」

「…うん」

あんなに近くに顔を向けてきたのに、急にパッと視線をそらされた。

でもあまりそのことは気にせずに「今回もアクセサリーでいいの？」と聞くと、「う、ん、大丈夫」ってさっきよりも歯切れの悪い返事が返ってきて。

イヤーカフのついた耳が赤く染まっていたことを不思議に思いはしたけど、それも特に気にせずに会話を続けた。

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