一瞬を辿る (ページ37)

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レストランの予約時間までまだ少し時間があるからって、毎度の如くお互いが見たいお店を見て回る。

まだ少し明るい街は、イルミネーションの点灯もまだされていない。でも数時間後にはきっと、きらきらしたばっかりで、すごくきれいに彩られる。不思議な感覚だ。

「Aは今欲しいものある？」

「うーん、特には」

「クリスマスだしなんかあげたいんだけど」

「え？」

クリスマスプレゼントは別にいいよねってお互い思っていて、それも話したことがあったから用意していなかったんだけど。

というか、その話をしだしたのは大我だったから、まさかこの話題を出されるとも思っていなかった、正直。

「クリスマスプレゼントいらないんじゃないの？」

「うん、でも誕生日にもらったし」

「誕生日プレゼントにお返しはいらないよ笑」

そう？と純粋に疑問げな顔をして首を傾げる大我。

…なんか、お金持ちのお坊ちゃんって事は知ってたけど、だいぶズレてるところあると思うんだよね、彼。

「…じゃあ、お互い選ぶ？」

「Aはこの前くれたじゃん」

「でもクリスマスなのに私だけもらうのは…」

「…わかった」

あれ？こんなこと、一周目じゃ起こらなかったような…？

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