一瞬を辿る (ページ33)

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「そこは大丈夫。好きで付き合ってるから苦じゃないし、それにいつまでも頑張れるほど強くないから、限界だったらやめるし。」

「そ？ならいいけど」

「とりあえず今は、自分が伝えられる気持ちぜんぶ伝えたいの。」

「……私はAに２度も傷ついてほしくないんだよ。」

苦しそうに顔を歪める彼女の表情に、私も胸がぎゅっと痛くなった。…私は和奈に、たくさん心配かけてしまっているから。

「私は和奈がいてくれれば傷ついてもいい」と本心を伝えると、「んもー！」と心配そうな声だけど嬉しさが隠しきれない顔をする。ほんと、私よりちょろいよ、和奈は。

「傷つくことになれないでよね、A」

「うん、わかった」

「京本になんかされたら私に言うんだよ。いつでも殴り込みに行ってやるんだから。」

「ふふ、ありがとう」

こんなに素敵な友達がいるんだもん、これ以上の幸せはないよ。

いつでも隣りにいてくれるから、いつも私の安全地帯でいてくれるから、きっと私は過去に戻ってきても頑張れているんだと思う。

「てかずっと気になってたんだけどさ、」

「うん？」

「そのマフラーってこのまえ京本がしてなかったっけ？」

「…もらった」

「えっ、ほんとに私の知ってる氷カップル！？」

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