一瞬を辿る (ページ32)

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ニヤニヤしながら自分のことのように嬉しそうな和奈。

一周目でも和奈にはたくさん迷惑かけた。傍から見ても冷めていた大我との関係にも、変わろうとしない私たちにも、呆れた態度をしながらもずっと一番の味方でいてくれた。

大我との関係のことだけでなく、他にも色々と。

「なんかあったの？」

「え？」

「だって急じゃん？今まで超ドライだったあんたらが約束してない日に会うなんて。」

誕生日だって会わない予定だったんでしょ？

そう言われて、その理由を和奈に話すのはなんだか恥ずかしいけど、でもこの大我に恋している自分の気持ちを誰かに聞いてほしいって思ってしまって。

「…なにもしてなかったなって。」

「なにもしてなかった？」

「うん。なんか、こんなにお互い干渉しなくなったの大我のせいにばかりしてて。でも私だって、冷たい大我に怯えて何も伝えてなかったし、行動してなかったなって」

「……うーん、でも京本がAに冷たいのは事実じゃん？」

なんかこのままいったらAだけが頑張ってる感じになりそうで、それはそれで心配なんだけど。

そう言って本当に心配そうに私を見る。

…和奈は、当たり前だけど私が過去に戻ったことを知らない。だから私が大我から「好き」を伝えられたことも知らないんだ。

２周目なんだってそれを伝えたところで、今度は頭の心配されそうだから言わないけど。

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