一瞬を辿る (ページ29)

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「開けていい？」

「いいよ笑なんか恥ずかしいから温かいのいれてくるね。コーヒーでいい？」

「うん、お願い」

大我から借りた手袋とマフラーを外して、キッチンへ。そこから見える、私が渡したプレゼントを開ける大我の姿。

心臓の音がドキドキ鳴る。

一周目ではプレゼントは大学で渡せたけど、家に上がって中身を見ることはなかったから。だから変に緊張してしまう。

「イヤーカフ？」

「うん」

「…デザイン好き」

「ふふ、良かった」

アクセサリーをあまりつけない大我だけど、一度誰かのアクセサリーを付けていたところを見たことがあって。その姿があまりに印象的だったから、奮発して買った…気がする。その記憶はある。

前回渡したあとも、それについて話はしなかったけどちゃんとつけてくれていた。それを見るたび嬉しかったのも、ちゃんと覚えている。

「まだ…ある？」

「うん、あけてあけて」

「…マフラー」

「似合いそうだなと思って」

これも記憶を辿れば簡単に思い出せた。

イヤーカフだけじゃなにか物足りないと感じた過去の私は、彼の誕生日の時期に合わせてマフラーを選んだ。…まあ大我自分の持っていたけど。それ今日借りたけど。

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