一瞬を辿る (ページ28)

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大我のマフラーと手袋をしたまま、二人で私の家に帰る。

私の住むアパートも見えてきて、そろそろお別れだって思うと少し寂しくなってきて。

でも、これからも好きって大我に伝え続ける勇気もでたし、それを実際に伝えられたし、おめでとうも言えたし。それに、あの拒まれたキスも私を傷つけないための嘘かもしれないけど、嫌で拒んだわけじゃないってわかったから。

「あ、大我、」

「なに？」

「これ、誕生日プレゼント。」

「会えないって言ったのに？」

「うん、でも会いにいくつもりだったし。会えなくても後で渡したし。」

たくさん悩んで選んだプレゼントの入った袋を手渡す。

「ありがとう」と、本当にもらえると思っていなかったのか目をパチパチさせて驚いている様子で受け取った大我。

「開けていい？」

「うん、家あがる？」

「いいの？」

「いいよ、寒いでしょ？」

「…じゃあ、そうする」

お邪魔します、と言いながら家に入った大我。

大我がうちに来るのは私が過去に戻った日以来だから、なんだか時の流れの速さを強く感じて。あれからもう２ヶ月も経ってしまったんだなあと思うと、焦りもでてくる。

時間が限られていることを痛いほど感じた。

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