#27 ページ27
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「ねえ大我」
「…なに」
「誕生日おめでとう！」
「…」
まさかそれだけを言うために待ってたのか？と言いたげな顔。
でも私の「おめでとう」に対してちゃんと「ありがとう」って呆れた顔しながら言ってくれるのも、大我の好きなところ。
「…早く帰るよ」
「うん、あともう一つ」
「今度はなに…」
「好き、私大我のこと大好きだよ」
大我は私の言葉に目を見開いて言葉を失った。
その様子が面白くて、笑いそうになる。こんなに驚かれるなんて。でもそうだよね、それくらい私は大我に気持ちを伝えてこなかったってことだ。
今までは大我の態度から拒まれるのがこわくて言えてなかったけど、好きって素直に伝えるのも悪くないなって思える。
「ごめんね、急にあんなことして」
「いや、…別に謝らなくてもいいし、その、あれは驚いただけ、だから」
「え？」
「ごめん、嫌な態度したから俺。ほんと驚いただけ」
バツの悪そうな顔。必死に弁明してくれている言葉たちが嘘でも嘘じゃなくても、どっちにしても嬉しくて。
でも同時にあのときの光景が頭の中に蘇ってきて、恥ずかしくなってきた。
「ほんと早く帰るよ、風邪引くから」
「わかった、ごめんね迷惑かけて」
「別に迷惑とかじゃない、でももっと自分の心配しろよ。」
「うん、確かに」
「はあ、ほんとにさ…」
そう言って手袋まで貸してくれた大我。
「それじゃ大我が寒いよ！」「俺はいいの！風邪ひいたらどうすんだよ！」なんてやりとりまでして、強行突破過ぎたかな？でもうまくいったから成功？とぐるぐる考えていた。
「…ありがと」
「え？」
「だから！ありがとうって言ったの」
「まって、大我耳真っ赤だよ笑」
「うるさい寒いから！」
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作者名：飴宮
| 作成日時：2024年2月21日 17時
