一瞬を辿る (ページ25)

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だから行動で少しずつ示せばいいって、そう思った。

でも、大我は私と顔を合わせたくないのか明らかに避けていて。行動のしようがなかった。

正直、この一ヶ月と少しのロスは痛い。

今日は大我の誕生日。

会えないかって連絡したけど、バイトが入っているからと断られた。これじゃあ一周目とまったく同じだ。

…でも一周目と違うことがあるとすれば、それは今私が大我のバイト先のカフェの前で待っているということ。

バイトが何時に終わるか分からないけれど、大体夕方から夜にかけてのシフトが多いししばらく待つしかない。

今日の目的は、私の気持ちを伝えること。これは一周目の私ができなかったことだから。

もう本格的に冬だから寒くて寒くて、マフラーと手袋を忘れてきた家を出る前の自分を恨む。想像以上に東京の冬の夜は寒い。

行きがけにコンビニで買ってきたカイロも、もう2時間は極寒の中で活躍したからか熱くなくなってきた。

「…大我まだでてこないのかな」

新しいカイロを買ったり防寒具を取りに行ったりしている間に大我が帰ってしまったら元も子もないから、なんとか耐える。

自分でも馬鹿だと思う。でもなんでここまでして彼を待っているかと聞かれたら、それは大我のことが好きで守りたいからと即答できるくらいには、もう手遅れだから。

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