一瞬を辿る (ページ3)

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「付き合ってないみたい。もう、やだ。」

うそ。嫌じゃない。まだ好き。ただ、この状況に耐えられないだけ。しんどいだけなの、分かってよ。

本音と一緒になって思ってもない言葉も出てきて、いよいよ終わりだなと悟る。

「好きなの私だけみたいだよ」

「…違う、それは違う」

「何も違わないよ！」

私が大我の前で初めて出した大声。

目を見開く大我は、うつむいて苦しそうに顔を歪めてから、私の目を見てか細い声で言った。

「……別れたい？」

違う、違うんだよ。そんな言葉が聞きたいわけじゃなかった。

大我も私のことがまだ好きならそれを伝えてほしかったし、今までの態度になにか理由があるなら「ごめんね」って言葉と一緒に伝えてほしかった。

別れたいなんて思ってない、なのに、どうしてそんなふうになっちゃうの？

「…なんで、そうなるの」

「え…？」

「違う！私はそんな言葉が聞きたいんじゃない！！」

感情が昂ぶって、ぶわっと堰を切ったように涙があふれて、思わず立ち上がり家を飛び出した。

スマホも財布も持たず、夜でもう暗い外に。

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