一瞬を辿る (ページ14)

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#14 - 2022.10.04 - ページ14

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朝…というかほぼ昼、私はスマホから流れるものすごく大きな着信音で目覚めた。あまり良い目覚めとは言えないくらい、大きな音で無理やり。

そこには"和奈(なな)"と表示されていて、慌てて電話に出る。

「…もし、もし」

『もしもーし、あんた大丈夫なの？』

寝起きのカスカス声で電話に出た私を少し笑ったあと、私に大丈夫か聞いてきた和奈。

…まって、まさか未来に戻った？

心臓がドクンと嫌な音を立て出して息が詰まる。でもそのままカレンダーを見ると、ちゃんと"2022年10月"と書いてあった。

大丈夫だ、戻ってきた昨日から一夜明けただけ。

『おーい？聞いてる？』

「あ、うん、ごめん
　大丈夫って？なにが？」

『何がってあんたねえ、今日何曜日かわかってんの？』

「え？」

ひどく安心していたら、今日は火曜日だと言うことを思い出す。時間を見ると10時半を過ぎていて、…あ。そうだ、私いま大学2年に戻っているんだった。

確か2年の頃の火曜一限は、私と和奈一緒にとっていた比較的好きな講義の日。だからこの日の一限だけは、早起きも苦じゃなかった。なんか、懐かしい。3年になって授業数がかなり減ったから、ぜんぜん覚えてなかったけど。

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